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読書魂!

July 10, 2008

「カシオペアの丘で(上下)」重松清著3

そんなに天気は良くなかったですが、
夕方に目黒駅前のStudio EASEまでロケハン。

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Studio EASEは、撮影用の小道具リースショップと撮影スタジオが一体となった複合スタジオです。シチュエーションの幅も広く使い勝手も良さそう。ロケーションを考えると料金も良心的だと思います。

その後、線路沿いを歩いて恵比寿ガーデンプレイスへ。
そこで惹かれるイベント情報をゲットしたんですが、
もったいつけて後日にアナウンス予定。

先週、「井上雄彦 最後のマンガ展」での
長い長い待ち時間の間に読み終わった感動作を紹介します。

【カシオペアの丘で】重松清著/講談社
2007年5月発行


1977年。四人は、小学四年生だった。
炭坑跡地に残った丘で、四人はそこに遊園地が出来ることを夢みます。
街を出て行く者、残る者、街に帰れない者…。
それぞれの想いを胸に30年ぶりに四人は再会を果たす。
カシオペアの丘という名の遊園地で。

幸せな家族に訪れる不幸な事件、幼なじみの末期ガン…。
傷ついた遺族や友人たちのとるべき道は…、そして家族に何を遺せるか…。
「生命(いのち)」と向き合うことで、少しづつ答えを見い出します。
幼い日のわだかまりや後悔の念、抱えていた30年間の想いが、
四人が交互に語り部となって優しく解きほぐされて行くのが分かる。

人間ドラマが、一度に交錯するので
テーマを絞って読み進めるが難しかったんですが、
いずれにしても自分を許せない人というのは、
本当に強く優しい人なのだと思います。
(僕は自分に甘いんですぐに許しちゃいそう…)

小学生時代の幼なじみが
30年も変わらない絆で繋がり続けるということは、
それ事態が奇跡に近いことだと思われます。
またムードメーカーのユウちゃんの存在がとても大きいんです。
こんなにも友達に気を配れるなんて…。(川原さんにも)
トシとシュンも、そしてミッチョも彼の前では素でいれる。
僕もそんな幼なじみ欲しかったなぁ。

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+ + +

ソフトバンクが地味に3連勝中!

mikey2006 at 02:46|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!

June 18, 2008

「ブラック・ジャック・キッド」久保寺健彦著4

ブログ再開。
しばらく忙しくしており、その後時間が出来ても時間を持て余してました。ブログのネタになりそうな事柄があっても、久々だとどうしても身構えてしまうらしく思いのほか間が空いたようです。
その間にMACの環境が変わりました!(MacG4&IE5.0→MacPro G5&Safari3.0)
そんなわけで、もともと不定期だし気負わず自然体で恵比寿を紹介して行きたいな。

で、内容としては軽めの本の紹介です。

【ブラック・ジャック・キッド】久保寺健彦著/新潮社
2007年11月発行

ブラック・ジャック・キッド

ブラック・ジャックになりたかった。
ブラック・ジャックのように、じゃなく、本当にブラック・ジャックになりたかったのだ。
〜冒頭からの引用

ウルトラマンに…、仮面ライダーに…、生まれて初めての出会う憧れのヒーロー。無垢な子供心は迷わずそのヒーローそのものになりたがります。この主人公の場合、それがたまたまブラック・ジャックでした。

タイトルからイメージしていたのは、ブラック・ジャックに憧れる少年の冒険譚とか成長の記録。大きく違ってはいないのだけれど、この作品に大きく惹かれたのは全体的に切なくもの悲しげな空気感が漂っていたことです。決して幸せといえない家庭環境、そして小学校でのイジメや友情…。拠り所となるのはもちろんブラック・ジャックで、いろんな場面で原作からのセリフを持ち出しています。
でも、興味を持つのはあくまでブラック・ジャックそのもので手塚治虫には全く興味を持っていません。(手塚治虫は、写真をみて冴えないおじさんくらいにし思っておらず、凄いのはあくまでブラック・ジャックということらしい。)

この作品は、ファンタジー小説でもあります。主人公がもっとも孤独に陥ったときにそれは現れて、心の隙間を埋めてくれる。真実はどうなのか分かりませんが、これもブラック・ジャックを信じる無垢な心が生み出した奇跡として思えば、なんだか素敵な思い出かな。

小学生ながらに女の子には結構モテる。お決まりなのは女の子の方が断然大人ということ。そして宮内くんと泉さんとの出会いは、マンガでも本でもそれまでの何倍もの視野を広げてくれたことでしょう。最後には泉さんへの恋心とも相まって、寂しい気もしますが確実に成長した主人公が描かれます。

自分自身と重ね合わせて
ノスタルジックな気分に浸れる人も多い作品ではないでしょうか。

  +  +  +

プロ野球の交流戦でソフトバンクが首位。
ペナントレースでも、ようやく楽天を抜いて3位。
やや調子が上向きかな…。

ちょっと間が空いただけで
恵比寿の街がどんどん変わって行きますが、
なるべく頑張って更新します。

mikey2006 at 03:15|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!

February 29, 2008

「裁判官の爆笑お言葉集」長嶺超輝著3

今日は、4年に一度の2月29日でした。

寝る前に少ーしづつ読んでいた本があります。
最近ブームともなっている裁判傍聴から興味深い裁判官の言葉を集めたものです。

法律や裁判に関して全く無知である僕でも、
裁判の入門書として分りやすく読むことができました。

【裁判官の爆笑お言葉集】長嶺超輝著/幻冬舎
2007年3月31日発行

裁判官の爆笑お言葉集
(幻冬舎新書 な 3-1)


裁判官も普通の人間である以上、そこ(裁判)で接する相手(被告)に何らかの感情が湧くのも仕方のないことです。そんな裁判官の血の通った言葉を集めたのがこの「お言葉集」です。
判決の際の主文を読み上げた後、閉廷後など極限られた合間の時間にそんな言葉は出てきます。そういう事例を、著者の視点で1章から10章までにまとめた興味深い本でした。

優秀な裁判官とは、判決や和解を出した数で評価されるそうです。ただでさえ、長い時間を費やす日本の裁判において、裁判官1人あたりの訴訟の数が非常に多いことを考えると、判決とは関係のない言葉は、余計であり無駄かも知れません。
"司法"というレールに敷かれていないそんな"お言葉"には、決して"爆笑"できないシュールな人間模様が垣間見えます。

恋愛感や夫婦のあり方を披露してしまう裁判官。行政訴訟で国やお役所相手に画期的な判決を"思い悩んで"言い渡す裁判官。犯罪を犯した裁判官を裁く裁判官。裁判官も色々であり、こういう様々な事例を見ていると、人間臭い裁判官とは少しだけ距離が近付けた気になれます。
一番心に残ったのは、大阪地裁(2004年当時)の杉田裁判官です。先入観を持たずに、人ではなく"罪"を裁くのに徹し、時折、"量刑相場"を覆す判決を言い渡します。

裁判の傍聴に興味はあるけどなかなか足を運べない方は、先ずはこの「お言葉集」から始めてみてはいかがでしょうか。
裁判傍聴のベテランである著者御自身は、弁護士を目指し叶わなかった経歴を持ちます。現在は、経験を活かした執筆活動をされてます。

・法治国家のつまみぐい(著者ブログ)
http://miso.txt-nifty.com/

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週末の東京は晴れるそうです。
その分、花粉も…。

mikey2006 at 23:55|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!

January 31, 2008

「漱石と倫敦ミイラ殺人事件」島田荘司著4

鞍馬天狗は"幕末"という設定なんですね。
NHKのドラマで知りました。
緒形直人の近藤勇に、石原良純の桂小五郎…。
史実とフィクションが交わる話は面白い作品が多いです。

これもそう。

【漱石と倫敦ミイラ殺人事件】島田荘司著/集英社
1987年10月発行(単行本 1984年9月)

漱石と倫敦(ロンドン)ミイラ殺人事件

これはシャーロキアンじゃなくても、十分に面白かった。
夏目漱石のロンドン留学中の未発表原稿「倫敦覚書」、そしてホームズのパートナーであるワトスン博士の未発表原稿。この二つをもとに構成したとされるお話です。手の込んだパロディですが、文学ファンやホームズファンも一目置くユーモアに飛んだ作品となっているのでは。

全十三章。夏目の視点とワトソンの視点で、交互に語られる事件やホームズの奇行(病気のせい?)や推理。これが笑えるんです!夏目から見ると、ホームズは変人以外の何モノでもなかったようで、その戸惑いぶりが伝わってきます。結果は同じなのにプロセスや双方の受取り方が全然違う。バツが悪い点は、互いに相手のせいにしてる…。でも、最後には互いをリスペクトして爽やかなエンディングが待っていました。

こんな作品の作り方もあるものなんだと感心。
ドイル氏によるシャーロック・ホームズの物語は全60作品ということです。第61番目のホームズ冒険譚としてお薦めします。

島田荘司さんは、未だ大きなミステリー系文学賞してません。ご本人の賞に対して消極的な姿勢もあるようです。よって「無冠の帝王」の呼称も…。

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えっ?餃子に罪はないですよ…。

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mikey2006 at 20:45|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!

January 26, 2008

「さよなら、そしてこんにちは」萩原浩著4

もうすぐ岡田ジャパンの初陣があります。19時過ぎから。
思いのほか攻撃的なスターティングメンバーということで楽しみです。

今日は、荻原浩さんの読みやすい短編集。

【さよなら、そしてこんにちは】萩原浩著/光文社
2007年10月発行

さよなら、そしてこんにちは

とてもユルくて可笑しい7つの短編集です。
どのお話にもオチがついて期待を裏切りません。日本人のライフスタイルに対する皮肉が満載されており、時には温かい家族ドラマとして、ある時にはコメディとして描かれています。無理なく素直に読めました。

中でも「スーパーマンの憂鬱」「寿し辰のいちばん長い日」「スローライフ」は、今の食ブームをダイレクトに皮肉っていて登場人物達がとても滑稽に見えてきます。「寿し辰〜」や「スローライフ」での主人公の心の中での奮闘ぶりは面白過ぎ。
「ビューティフル・ライフ」「長福寺のメリークリスマス」は質の高いヒューマンドラマとしても十分に読めます。矛盾したライフスタイルを家族愛が上回るようなお話。「美獣戦隊ナイトレンジャー」では、イケメン戦隊ブームに乗っかった主婦と微妙な年齢の息子との掛け合いが絶妙…。
そしてタイトルの「さよなら、そしてこんにちは」では、規制緩和でゆれる小さな葬儀社に勤めるサラリーマンが主人公。私生活では、初めての子どもが誕生間近…。葬儀社に勤める主人公だからこそ目にする人生の縮図を見せてくれました。

どれも心に残る作品で、短編集としては申し分ないと思います。
次は久々に荻原さんの長編でも読もうかな。

+ + +

朝青龍がいろいろ言われていますが、
もし朝青龍が横綱失格だとするならば、現大関は皆失格だと思う。
昨日今日の横綱vs大関戦は、
熱戦にはなってますが、やはり横綱二人が一枚上手のようです。

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January 08, 2008

「生き方」稲盛和夫著5

4日とか7日が仕事初めという方が多かったと思います。

老若男女、全てのビジネスマンに薦めたい本があります。
稲盛和夫さんの「生き方」です。財界人の著書は数多い。しかしこの方の本は、純粋に人としての姿勢を示しているもので、決して"会社を大きくしたい"とか"成功の秘訣"だとかそういう類いのものとは違います。

【生き方】稲盛和夫著/サンマーク出版
2004年8月発行

生き方―人間として一番大切なこと

京セラの創始者、KDDIの初代会長の著者。
60歳を過ぎて仏門に入られた方で少し説法じみてたりもし、抵抗ある話も多いかも知れません。そして、ビジネス最前線で忙しい日々を送っている方には、青臭くもあり抽象過ぎる内容と感じるかも知れません。僕もそう感じてしまう箇所はありました。
それでもあり余る感銘を受けてしまいました。その真摯な"生き方"、仕事や人生に向き合う"姿勢"が本物であることが十分に伝わってきたからです。

「利他の心」「原理原則に基づいた哲学を持つ」など幾つか柱となる考え方が示されますが、どれもシンプルで分りやすいです。例えば「利他」とは、自分より他人の利益を優先するということ。そして、「(人としての)原理原則」とは、簡単に表現すると思いやりとか感謝の気持ちなどの善い行いを意味しています。これに考え方や熱意、能力などが加わることで、その人の生き方が決まってくるというような話です。
このような人生観をとても丁寧で分りやすい文章で語られていたことも、稲盛さんの「生き方」を好感をもって受け入れられた理由だと思います。

稲盛さんの著書は多いですが、このような方の考えを見聞きした後、
理解、共感できても真に実践することが如何に難しいか…。
考え方がプラス方向を向いてる自信はあるので、先ずは自分の哲学を探すことから始めます。

  +  +  +

お正月に、野茂がロイヤルズとマイナー契約しました。
40歳くらいまでは現役で頑張ってほしいです。

代表FWの高原が、浦和レッズと契約。
日本代表にとっては良い選択じゃないでしょうか。

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December 31, 2007

今年の本10册 2007

ブログを始めた昨年末から今まで読んだ本の中で、
印象深かった10作品をまとめます。「永遠の仔」以外は順不同ですかね。

「永遠の仔」一〜五 天道荒太◎
「容疑者Xの献身」東野圭吾
「誰か」「名もなき毒」宮部みゆき
「ぼんくら」上下 宮部みゆき
「弧宿の人」上下 宮部みゆき
「八日目の蝉」角田光代
「海辺のカフカ」上下 村上春樹
「夜は短し歩けよ乙女」森見登美彦
「花神」上中下 司馬遼太郎
「生き方」稲盛和夫

以上です。
※稲盛さんの「生き方」の分野は人文・哲学です。
※「誰か」「名もなき毒」はシリーズ作品ということで。

詳しい感想などは「読書魂!」のカテゴリーを見て下さい。
2008年も心に残る本に出会えますように。

mikey2006 at 06:08|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!

December 22, 2007

「八日目の蝉」角田光代著4

暖冬で全く雰囲気のなかった去年のX'mas Week。
今年は随分ましかも知れません。
外が寒ければ寒いほど、室内は暖かく感じるものですし。

この本は心の中にも、
穏やかな温かい光りを射し込んでくれました。

【八日目の蝉】 角田光代著/中央公論新社
2007年3月発行



ラストシーンが見事でした。
まだどんな未来が待ち受けているのか分かりませんが、
はっきりと前を向けた力強いラストであったと思います。

冒頭からショッキングな事件が。
彼女のしたことは決して許される行為ではない。生まれたばかりの赤ん坊、そしてその家族に約束されていた幸せな家庭を、一方的に壊してしまったのだから。誘拐、逃亡、薄氷の上に乗ったような偽わりの母娘の暮らしが続きます。この中盤までは痛々しく、事件後も少女は必死に孤独に生き抜いてきたことが分かる。事件のことが世間から忘れ去られても、少女の家族の絆は修復できるものではありませんでした。一体、この事件は何を残したのか…。

成長した薫が気付く。
本当に、私は、何をも憎みたくなかったことを。
そして薫は知る時が来ます。
恵津子も、希和子も、全く等しく母親であったことを。
ここまで来て、2人は本当に救われたように感じました。

蝉は、何年も土の中で準備をして、地上に出ると7日間しか生きられない。
もし8日目に生き残った蝉がいたならば…。
季節が巡り、彼女達は蝉の一生に自分の人生を重ねる。
たぶんカバーイラストは、まだ土の中に入る蝉と自分を重ね合わせたもの。

「八日目の蝉は、ほかの蝉には見られなかったものを見れるんだから。
 見たくないって思うかもしれないけど、
 でも、ぎゅっと目を閉じてなくちゃいけないほどに
 ひどいものばかりでもないと、私は思うよ。」

とても尖った視点から新鮮な母娘の形を見せてもらった気がします。
せつないけれど同じくらい勇気や強さも与えてくれる作品でした。
それにしても、もうちょっと"男らしい"男の人にも出会って欲しかったなぁ。

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November 28, 2007

「永遠の仔(一〜五)」天童荒太著5

ついに書けた…。

普段なら、感想を書くには読了直後のほうが良い。もちろん内容を覚えてもいるし、気持ちも入りやすいはずだから。でも、この作品はその気にならなかった。いや、正確には書く自信がなかったのだと思います。この作品に相応しく、自分なりに恥ずかしくない文章を書く自信がなかったのです。
そしてクールダウンしつつ、少しづつ書いた感想がこれ。今の精一杯です。

【永遠の仔】 天童荒太著/幻冬舎
2004年11月発行/幻冬舎文庫
(単行本 上下巻1999年3月/幻冬舎刊行)

永遠の仔〈1〉再会
(幻冬舎文庫)


永遠の仔〈2〉秘密
(幻冬舎文庫)


子供達が17年前に霊峰で引き起こした聖なる事件とは…。
そして、その後を生きる3人と家族の物語です。

これほど事実が意味を成さなかった話はない。優希や笙一郎、梁平、家族や恋人達の各々の罪と苦しみの真相を理解することが重要。難しくもあり本当に辛かった…。
でも、物語の中には素敵で優しい大人も多く出て来ます。例えば、岸川夫妻、梁平の育ての親である有沢夫妻など。3人がもっと早くこういう人達と出会い多くの理解を得られていたなら、もしかすると…、と思わなくもありません。

最初は怒りと憤りから始まり、途中では涙が惜しみなく流れ、最後には愛おしい気持ちで一杯になりました。
この涙は二通りあった。子供達が受ける痛みに対しての悲しみと幼い三人に対しての愛しさから来るものです。

永遠の仔〈3〉告白
(幻冬舎文庫)


永遠の仔〈4〉抱擁
(幻冬舎文庫)


子が親へ抱く愛情。それは少しばかりの虐待行為や裏切りがあったとしても、簡単に消えるものではありません。どんな状況に追い込まれても子は肉親からの救いと許しをどこかで求めています。逆に、誰より愛している親であるからこそ些細なことでも傷付き胸を痛める。抱き締められなければ癒されることのない"傷"を、愛されなければ忘れることのできない"痛み"を。
それは大人の世界ではイメージできない痛みで、子供には説明することの難しい複雑な痛みなのだと思います。

クスの大木の傍らにある小さな洞窟で、「三人は、寝袋を並べて横になり、言葉をかけ合った。その言葉に甘え、言葉に寄って、仔犬のように身を寄せあって、眠った。」
僕は本を読んでいて、このクスの木のシーンほど鮮明に映像が浮かんだシーンはない。やがて嵐の夜が明けて森と同化したように朝を感じる子供達の鮮やかさは忘れられません。

永遠の仔〈5〉言葉
(幻冬舎文庫)


著者の天童荒太さんはひとつの作品を書き上げるのに何年も費やすということです。「永遠の仔」でも1993年頃から構想や準備を進めて、執筆に入ったのが'95年、締切りを延しに延して仕上がったのが'99年1月末だったということです。その経緯と多くの人への感謝の言葉が最終巻のあとがきに掲載されています。
実はどこかのサイトで、天童さんが「この手の児童虐待の問題に詳しかったから書き易かったのかも」との意見を見かけたことがありますが、とんでもないと思います。読むだけでこれ程のエネルギーを消費したのに、書き上げるのに一体どれ程の犠牲と代価を払ったのだろうと感じました。そんな作品が「書き易かろうはずがない!冗談じゃない」と…。ちなみに僕は、個人的なこの感想を書くだけでも一苦労してます。

最後に、
物語を体験し終えた人間として、優希に、ジラフに、モウルに感謝を。

2000年に日テレで連ドラにもなってるようです。

mikey2006 at 20:26|PermalinkComments(2)TrackBack(0)clip!

October 23, 2007

「日本のロゴ」

渋谷駅前に移転したブックファーストは、フロア綜面積が4分の1くらいに狭くなってました。何に特化するということもなく、各ジャンルとも売場面積が縮小された感じです。やっぱり本は売れなくなって来てるんでしょうか。

「日本のロゴ」(成美堂出版)という本が目について買ってみました。デザイン関連の実用書を買うのは久々。
ロゴを特集した雑誌や書籍というのは珍しくありませんが、"日本の〜"というところに興味を持ってみました。内容は外資系含めて日本に拠点を置く企業または美術館などのロゴを、50音順にデータベース的に紹介しているものです。特長としては、簡単にデザインコンセプトやルーツが解説してあったり、古い歴史を持つものはロゴの変遷が掲載してあったりする点。ただ、掲載数は220個前後なので満足する程多くなく、またその基準がどこにも記載してなかった。三菱や任天堂あたりの日本を代表する企業も未掲載で、ブランドやプロスポーツのロゴなどもまとめてみたいなぁ。

日本のロゴ
企業・美術館・博物館・老舗…シンボルマークとしての由来と変遷


いまさらの事ながら、コーポレートデザインの主役的役回りのパーツである「ロゴ」(ロゴマーク同意とします。)。一般的には、イラストやマークだけなど可読性のないグラフィックタイプのものを「シンボルマーク」、タイプフェイス(文字)をベースに可読性を残すロゴを「ロゴタイプ」、この前者と後者を総称してロゴと呼ぶことが多い。

50年以上続くタミヤのツインスター、資生堂、キャノン、カゴメ、比較的新しい企業としてはパソナあたりがロゴとして完成度高いと思う。ソフトバンクのロゴの「=」は海援隊のボーダーの旗印からインスパイアされたものらしく、好きなものがルーツであると知ると何となく好意的に思ってしまう…。(資料:亀山社中と海援隊展示資料)ちなみにマイキーズ&チャンクスのマークは、映画「グーニーズ」の洞窟からなんです。

  +  +  +

広辞苑に「うざい」「逆ギレ」「ラブラブ」などなどが新語として追加されるらしい。
「萌え」は選考から漏れたということです。

mikey2006 at 22:43|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!