January 15, 2009
「火車」宮部みゆき著
ここら辺りで、昨年書ききれなかった本の感想を
幾つかまとめておこうと思っています。
まずは、大好きな作家宮部さんの90年代前半の名作から。
【火車(かしゃ)】宮部みゆき著/新潮社
単行本 1992年7月発行/双葉社
文庫本 1998年2月発行/新潮社
火車 (新潮文庫)
宮部みゆきさんの現代ミステリーの初期の名作として、いまだに著者のNo.1として本書を挙げる方も多い人気作品です。(第6回山本周五郎賞受賞)
休職中の本間刑事は、自らの過去を清算して他人に成り済まして生きる女性の行方を追いかけます。成り行きは遠戚の婚約者の失踪からでしたが、ひとりの女性の謎の人生の一端を踏んでしまうこととなります。
変わっている点は、主人公の目的が"犯人逮捕"的なものではなく、あくまでも"捜索"であり人探しです。そこに新たな事件が起こる訳でも何でもありません。捜索の行きがかり上、二人の女性の過去を辿ることになるのですが、すり代わった者とすり代えられた者、それぞれの数奇で壮絶な人生が浮かび上がってきます。
軸となる失踪女性の過去に、"カード破産"をしていたという事実が浮かびあがります。
1980年代から90年初めにかけて、"カード破産"と言えば、借りた側の責任問題であるという認識が一般的だった時代の話です。ただし、一括りに"自己責任"では片付けられません。法外な金利、執拗な取立て、債務超過者のたらい回しなど(闇金含む)悪質な業者による"アリ地獄"のごとき罠が弱者を待ち受けている状況でした。カード破産が社会問題として話題となり、貸付け条件やグレーゾーン金利に対する法改正が進んだのはほんの数年前(2006年頃)からということを忘れてはいけないと思います。物語中の一旦でも触れられていますが、決して他人事じゃなく、気づかないようで、この辺りの法律に助けられてる方も実は多いはずなのです。
また婚約者に失踪される男が務めていたのは大手銀行。皮肉にも、系列カード会社に婚約者の新規カード申請を依頼したことが事件の発端となりました。
一体彼女は何者か?存在すらあやふやな女性の姿を、主人公と一緒になってイメージし少しづつ形作っていくこととなります。また、行方不明な幼なじみの行方を案じる本多保の姿にも心打たれますが、こちらは悲しい結末が待っており本当にやりきれない思いです。
そして、ラストが印象的でした。
情緒が分からない僕はついつい声を漏らしてしまいます。
えっ〜〜〜〜、という感じで。
結局、本間刑事は本編中で意中の人物に会うことはないのです。
真相は是非本書をご覧下さい。
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幾つかまとめておこうと思っています。
まずは、大好きな作家宮部さんの90年代前半の名作から。
【火車(かしゃ)】宮部みゆき著/新潮社
単行本 1992年7月発行/双葉社
文庫本 1998年2月発行/新潮社
火車 (新潮文庫)宮部みゆきさんの現代ミステリーの初期の名作として、いまだに著者のNo.1として本書を挙げる方も多い人気作品です。(第6回山本周五郎賞受賞)
休職中の本間刑事は、自らの過去を清算して他人に成り済まして生きる女性の行方を追いかけます。成り行きは遠戚の婚約者の失踪からでしたが、ひとりの女性の謎の人生の一端を踏んでしまうこととなります。
変わっている点は、主人公の目的が"犯人逮捕"的なものではなく、あくまでも"捜索"であり人探しです。そこに新たな事件が起こる訳でも何でもありません。捜索の行きがかり上、二人の女性の過去を辿ることになるのですが、すり代わった者とすり代えられた者、それぞれの数奇で壮絶な人生が浮かび上がってきます。
軸となる失踪女性の過去に、"カード破産"をしていたという事実が浮かびあがります。
1980年代から90年初めにかけて、"カード破産"と言えば、借りた側の責任問題であるという認識が一般的だった時代の話です。ただし、一括りに"自己責任"では片付けられません。法外な金利、執拗な取立て、債務超過者のたらい回しなど(闇金含む)悪質な業者による"アリ地獄"のごとき罠が弱者を待ち受けている状況でした。カード破産が社会問題として話題となり、貸付け条件やグレーゾーン金利に対する法改正が進んだのはほんの数年前(2006年頃)からということを忘れてはいけないと思います。物語中の一旦でも触れられていますが、決して他人事じゃなく、気づかないようで、この辺りの法律に助けられてる方も実は多いはずなのです。
また婚約者に失踪される男が務めていたのは大手銀行。皮肉にも、系列カード会社に婚約者の新規カード申請を依頼したことが事件の発端となりました。
一体彼女は何者か?存在すらあやふやな女性の姿を、主人公と一緒になってイメージし少しづつ形作っていくこととなります。また、行方不明な幼なじみの行方を案じる本多保の姿にも心打たれますが、こちらは悲しい結末が待っており本当にやりきれない思いです。
そして、ラストが印象的でした。
情緒が分からない僕はついつい声を漏らしてしまいます。
えっ〜〜〜〜、という感じで。
結局、本間刑事は本編中で意中の人物に会うことはないのです。
真相は是非本書をご覧下さい。
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1. 火車 宮部みゆき [ 粋な提案 ] March 27, 2009 03:29
休職中の刑事、本間俊介は遠縁の男性の婚約者、関根彰子の行方を捜すことになった。
いったい彼女は何者なのか?謎を解く鍵は、自己破産者の...
この記事へのコメント
1. Posted by 藍色 March 27, 2009 03:35
こんばんは。
トラックバックさせていただきました。
表示されないようなので、URLを置かせていただきますね。
http://1iki.blog19.fc2.com/blog-entry-762.html
トラックバックいただけたらうれしいです。
お気軽にどうぞ。
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トラックバックいただけたらうれしいです。
お気軽にどうぞ。
2. Posted by mikey March 27, 2009 09:20
>藍色さん
TBありがとうございました。
認証制なのですぐに反映されないんです。
そのうちTBのお返しに伺うと思います。
TBありがとうございました。
認証制なのですぐに反映されないんです。
そのうちTBのお返しに伺うと思います。



